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「インド映画の人気拡大 17年度売上高3397億円の見通し」だからね

去年はBahubaliが全インド映画でもトップはずでしたし、
年明け早々にシャンカールのもIもあったり、
ボリウッドの情報を見ていてもテルグ、タミルの映画の気になる情報は
入ってきていました。
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それを踏まえると昨日のこの記事には違和感がありました。

印ボリウッド映画、人気拡大 17年度売上高3397億円の見通し

特に
ボリウッド映画の売上高は(略)2017年度(略)には1930億ルピー(約3397億円)を突破する見通し
というのと
インド国内の映画興行収入は(略)17年度には1420億ルピーに達すると予測され、
うちボリウッド映画の割合が74%に相当するとみられている。
この2つの文なんだか合わないと思いませんか?

2017年度、ボリウッドの売上高は1930億ルピー、
インド国内の興行収入は1420*0.74=1050億
残り900億はどこで稼ぐのん?
そもそも74%も占めているとは思えんがな。

ベースになっているのはこちらのFinacial Expressの記事。
さらにそもそものAssochamの発表はこちらでしょう。
Bollywood revenues might cross Rs 19,300 crore mark: ASSOCHAM-Deloitte study
他の会社の記事でもほぼ同様の記事がいくつかあるので間違いないと思います。

元の発表でもタイトルが「Bollywood」となっていて、
本文のほうではボリウッドではなくインド全体の映画産業を指しています。
それが混乱の元なんでしょう。
Financial Expressの記事はBollywoodとインド映画全体が区別できていないようです。
まぁ映画に詳しくない人はインド映画全体とボリウッドを間違ってしまうのかなぁ。
製作本数ではテルグ、タミル、ヒンディーはほぼ同じか
テルグ、タミルのほうが今でも多いはずなんだけど。
要約すると、こんなところです。

・ 2017年度の見通しとして映画産業全体 1930億ルピー
   海外からの収入拡大、ボリウッド映画の品質向上、積極的なマーケティング・キャンペーン、
   マルチプレックスの増大、業界でのデジタル化の進行 などが寄与
・ このうち国内興行収入が最も大きく1420億ルピーと全体の約74%
   海外興行収入は伸びるものの 130億
・ テレビと浸透が進むスマートホンからの需要の高まりから
   ケーブルや衛星放送、オンライン/デジタルの収入は15%成長の見込み
   ただしホームビデオは10%程度の割合で減少し、
   DTHやOTTを介したVideo On Demandに変わっていくだろう
・ 地方映画産業が大きな役割を果たすようになり、
   南インドのテルグ、タミルは現在43%を占めるボリウッドを上回るだろう。
   国内大手プロデューサーも予算の20%の地方映画に使おうとしている。
・国外にインド映画を売り込むため、制作会社はインド人以外の視聴者にも
  受け入れられる作品づくりが必要

なるべく元の記事を生かして書き換えると、こんな感じ:

華やかな歌やダンスが盛りだくさんなことで知られるインド映画の
売上高が伸びている。インド商工会議所連合(ASSOCHAM)と
地場コンサルティング会社の調査によると、インド映画の売上高は今後、
年平均11%増で拡大し、2017年度(17年4月~18年3月)には
1930億ルピー(約3397億円)を突破する見通しだ。
現地経済紙フィナンシャル・エクスプレスなどが報じた。

 インドは年間の映画制作本数が世界有数の映画大国で、
西部ムンバイを拠点に制作され、ヒンディー語で上映される
ボリウッド映画の他にも言語ごとにさまざまな映画が上映されている。
人気が高まっている背景には、ボリウッド映画作品の質向上や
シネマコンプレックス(複合型映画館)の増加、
国内外での積極的な販促策に加え、インターネット環境の整備に伴い、
携帯端末で映画が視聴できるようになっていることなどがある。

 インド国内の映画興行収入は年間1150億ルピー、17年度には
1420億ルピーに達すると予測され、売上高全体の74%に
相当するとみられている。国外での興行収入は
現在の110億ルピーから130億ルピーに拡大する見通しだ。

 同国ではスマートフォンなど携帯端末を通じて映画を視聴する人も
増加しており、放映権などデジタル関連の売上高は、17年度まで
年平均15%増で拡大すると見込まれる。

 また、ボリウッド映画だけでなく、南部タミルナド州で制作される
タミル映画なども人気が高まっている。今後、国内だけでなく、
国外にインド映画を売り込むため、制作会社は国外の視聴者にも
広く受け入れられる作品づくりが必要という。

日本語の記事はFinancial Expressの記事からもずれてる気がしてなりません。
特に元の記事ではタミル、テルグを初めとするボリウッド以外の映画産業が
伸びると書いているのに、全く逆の論調になってしまっているのは残念です。

ところで「Deloite」って「地場コンサルティング会社」なんでしょうかね?
同じ名前の世界最大級のコンサルティング会社が有名ですが。


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