これだったりとか、
おそらくそのベースになったであろう、こちらの記事とか
王を称える声がまだまだ止みません。
ただね、ボックスオフィス・ギークとしては
「皆んな興行成績について語ってなさ過ぎ」
と言わざるをえません。
「インド国内の歴代興行成績を塗り替えた」って
一言で終わらせるような単純な記録じゃないんだからね。
去年8月、アーリヤー・バットはインタビューの中で
Baahubali 2の後、興行成績について私たちが語る権利なんてないと思っています。
ここでのWeが今年ヒットしたBadrinath Ki Dulhaniaの主演としてなのか、
関係の深いDharma Productionとしてなのか、
ボリウッド全体としてなのか。
ただあえてこの言葉を記事のタイトルに持ってきたPinkvillaは
おそらくボリウッド全体をイメージしていたんじゃないかと感じています。
長い間、インド映画ではボリウッド=ヒンディー語が中心でした。
WikipediaにあるList of highest-grossing Indian filmsで
インド映画の毎年の興行成績トップを見ても、
1948年のChandralekhaがタミル映画であることを除けば、
ずらりとHindiまたはHindi-Urduと
ヒンディー語または表記法は異なるものの基本語彙は同じウルドゥー語の
映画がずらっと並んでいます。
2010年にラジニカーント主演のタミル語「Enthiran」(ロボット)が
その年のトップになっています。
しかし、ワールドワイドでもインド国内でも
前年2009年の「3 Idiots」(きっと、うまくいく)が上回っていました。
そして2015年、「Baahubali: The Beginning」(バーフバリ 伝説誕生)がトップ。
しかし、ボリウッド界隈では大きな話題にはなりませんでした。
このときもその前年の「PK」がワールドワイドの興行成績ではトップでした。
さらにボリウッド界隈としてはほぼ同時期に公開された
Bajrangi Bhaijaanが320カロールと
Baahubali: The Beginningのヒンディー版の120よりも目に付きやすかった
ということがあると思います。
また海外での興行収入の割合が大きくなったこともあり、
しだいにワールドワイドの成績に注目がシフトしていったことあります。
さらに「ボリウッドが他の映画界に負けるわけがない」という
気持ちがどこかにあったのかもしれません。
「PKがインド国内でトップでないらしい」という記事も見ましたが、
どこか控えめでした。
そして2017年、「Baahubali 2: The Conclusion」が公開。
毎日入ってくる興行収入の数字がおかしいんじゃないかと思うほどの大記録。
インドの映画館がすべてBaahubaliに占領されたんじゃないかというほどでした。
前作 Baahubali: The Beginningの518カロール、
半年前に記録を塗り替えた Dangal の587カロールの実に2倍以上。
欧米市場でもDangalが塗り替えたばかりの記録をことごとく塗り替えました。
もうだれもBaahubaliをトリウッドを無視できなくなりました。
中国市場で大ヒットしたおかげで
ワールドワイドでのトップはDangalが取り返しました
ボリウッド勢ですが
After Baahubali 2, I don’t think we have the right to talk about box office
そんな力ない言葉が聞こえてきそうです。