インド映画と聞くと「踊るんでしょ?」とよく聞かれます。
「インドではキスシーンご法度。 なので ラブシーンをダンスにしてしまった」
てなこと見かけますがが、少なくとも私が見た映画では普通にキスしてます。
(アーリヤーの場合、キスシーンがない主演映画ないんじゃないかな?)
だからといってダンスシーンがなくなるわけじゃありません。
それに「唐突に踊りだす」ってこともあまりありません。
ダンスはエンターテイメント、お楽しみの1つですが、
たいていの場合、それなりに理由があります。
ちょっと分類してみますと:
お祭り、結婚式、パーティー/クラブ、発表会/コンテスト、
映画のオープニング・エンディング、心象風景、
そして説明不能のざっくり7種類。
まず最初はお祭り。日本だってお祭りといえば踊るでしょ?
8月にはあちこちの町で盆踊り大会やってます。
インドには地方によっていろんなお祭りがありますが、
中でも色粉や色水をかけあうヒンドウー教の春のお祭り
ホーリーはよく映画にも出てきます。
Balam Pichkari - Yeh Jawaani Hai Deewani
気になる男女が色水掛け合い、色粉を塗り付けるのが定番
そして結婚式。お祝い事なので、こちらも踊ります。
特にパンジャブ人は派手だと聞きますが、
庶民でも飾り立て、親族一同、友人、関係者を全部集めて盛大に祝います。
おめでたいんですから当然、踊ります。
Iski Uski - 2 States
チェンナイの女性がパンジャブ式の結婚式に目を丸くします。
よく見るとサリーや髪飾りなども違うことが分かります。
お金持ちともなれば別荘やホテルを貸切り、
招待客を泊めて、何日も宴会が続きます。
とはいえ素人には限界があります。
そこでウェディングプランナーが仕切ります。
プランナーが式を盛り上げるために踊るなんてシーンもあります。
Ainvayi Ainvayi - Band Baaja Baaraat
お酒の席で踊り子さんが踊るなんてのも当たり前。
Chikni Chameli - Agneepath
結婚式に限らず、パーティー、クラブなど踊る場所のシーンはそりゃ唄い、踊ります。
Desi Girl - Dostana
ダンスの発表会とかコンテストなんてなところも
そりゃそういう場所なので踊ります。
Radha Nachegi - Tevar
マノジ・バジパイに目がいってしまいますが...
Bezubaan Phir Se - ABCD 2
そういう中では映画の授賞式でのアトラクションというのもあります。
Halkat Jawani - Heroine
どの映画もダンスシーンで終わるってことはありませんが、
映画のオープングとエンディングにもダンスが入ることがあります。
Dhoom Again - Dhoom:2
オープニングとエンディングが1つの動画に入っています。
とまぁ、このあたりまでは「やりすぎじゃない?」と思うかもしれませんが
それほど違和感がないんじゃないかと思います。
次あたりからちょっと怪しくなってきますが...
主人公の心象風景あるいは妄想というのはよくあります。
「きっと、うまくいく」ではカリーナ・カプールが演じたピアが夢見てました。
Zoobi Doobi - 3 Idiots
妄想だからそりゃ踊ってもおかしくないはず?
そして、どうしても説明がつかない、
なんで踊りだしたのか合理的な説明がつけにくいものがあります。
「きっと、うまくいく」でも、なんでシャワーの水が止まって
みんなが踊りだすのか...
All Izz Well - 3 Idiots
「ダバング 大胆不敵」では、なんで街中が踊りだすのか...
Hudd Hudd Dabangg - Dabangg
「なんで、こんなにダンスを入れるんだ?」とお思いのお方へ
ヴィディヤ・バーランが演じるシルク様からのありがたい教えをどうぞ。
「映画が売れるためには3つのものが必要なの。
エンターテイメント、エンターテイメント、エンターテイメント。
そして私が、エンターテイメントなの」
Ooh La La Tu Hai Meri Fantasy - The Dirty Picture
ここはちょっと昔80年代の映画のシーンを再現
そうつまりは楽しませるための仕掛けなんです。
もちろんサスペンスものやシリアスな内容の場合、
ダンスシーンがないものもあります。
でもエンターテイメントにまっすぐ取り組んだら、
ダンスなんて楽しいんですから、そりゃ入れなきゃってことなんでしょう。
むしろ日本の映画はなぜダンスシーンがないんでしょうね?