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【バジュランギおじさんと、小さな迷子】ベタなストーリーに隠されたインド-パキスタンの関係

そりゃ満足度高いよね! と思いつつ。
421件という多くのレビューが寄せられたというのが感激ポイント。
上映されている映画館の数、回数を考えたら相当高い割合じゃないのかなぁ?

『バジュランギおじさん』、ベタなストーリーです。
あらすじ読んだら、エンディングなんて予想できるくらい。
ラストのあのシーンは途方もない空想の絵空事。
しつこいほど盛り上げますが、それぐらいしないと
気持ちに整理がつかなかったのかなとか思ったりします。

インド-パキスタンの仲の悪さは、最初から最後まで随所で示されます。
でも中にはインドに詳しい人にはピンときても、
日本人では分かりにくそうなものがあります。
自分が気が付いたのは2つ。

まず1つはパキスタン大使館でのシーン。
多くの人が「Karmjeet Singhを解放せよ」とプラカードを持ってデモしてました。

Karmjeet Singhという人は見当たりませんでしたが、
多くのインド人はSarabjit Singhを連想させたんじゃないかと思います。
1990年に「酔っぱらって国境を越えてしまった」インドの農民が
パキスタンでつかまり、テロ事件に関連するとして死刑宣告。
23年間、投獄された末、刑務所内での暴力事件でなくなるという事件がありました。
その農民の名前がSarabjit Singh。
この話をベースにした映画「Sarbjit」も作られました。ヘタに国境を越えたら大変なことになることを暗示しています。
詳しくはポポッポーさんのレビューをどうぞ。

もう一つはカシミールと聞いてインドに戻らないと言い出すパワンに
オム・プリさんが演じるモスクの老先生が放った一言
「パキスタンにも少しだけどカシミールがあるんだよ」
センシティブな問題をサラっと言ってました。
カシミール紛争 はインド・パキスタンの最大の問題。
どうしても重苦しい雰囲気があります。

Haider - Trailer

その傷口にあえて触れてくるようなエピソードをあえて入れて、あのラスト。
ただのベタなストーリーではないんですよ。

こちらの記事も面白かったです。

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